llvm-install-name-tool - インストール名とrpathを操作するためのLLVMツール

概要

llvm-install-name-tool [オプション] 入力ファイル

説明

llvm-install-name-tool は、Mach-Oバイナリに記載されている動的共有ライブラリのインストール名とrpathを操作するためのツールです。

ほとんどのシナリオでは、Appleのinstall_name_toolの代替として使用できます。

オプション

以下のオプションのうち少なくとも1つは必須であり、いくつかのオプションを組み合わせることができます。オプション -add_rpath-delete_rpath、および-rpath は、同じ`<rpath>`値を共有しない場合にのみ、1つの呼び出しで組み合わせることができます。

-add_rpath <rpath>

指定されたバイナリに`<rpath>`という名前のrpathを追加します。複数のrpathを追加するには、複数回指定できます。`<rpath>`が既にバイナリにリストされている場合は、エラーが発生します。

-change <古いインストール名> <新しいインストール名>

指定されたバイナリ内のインストール名`<古いインストール名>`を`<新しいインストール名>`に変更します。複数の依存する共有ライブラリのインストール名を変更するには、複数回指定できます。`<古いインストール名>`が指定されたバイナリにリストされていない場合、このオプションは無視されます。

-delete_rpath <rpath>

指定されたバイナリから`<rpath>`という名前のrpathを削除します。複数のrpathを削除するには、複数回指定できます。`<rpath>`がバイナリにリストされていない場合は、エラーが発生します。

-delete_all_rpaths

バイナリからすべてのrpathを削除します。

--help, -h

コマンドラインオプションの概要を表示します。

-id <名前>

指定されたバイナリ内のLC_ID_DYLIBの下の共有ライブラリの識別名を`<名前>`に変更します。複数回指定された場合、最後の-idオプションのみが選択されます。指定されたMach-Oバイナリが動的共有ライブラリでない場合、このオプションは無視されます。

-rpath <古いrpath> <新しいrpath>

指定されたバイナリ内の`<古いrpath>`という名前のrpathを`<新しいrpath>`に変更します。複数のrpathを変更するには、複数回指定できます。`<古いrpath>`がバイナリにリストされていないか、`<新しいrpath>`が既にバイナリにリストされている場合は、エラーが発生します。

--version, -V

llvm-install-name-tool実行ファイルのバージョンを表示します。

終了ステータス

llvm-install-name-tool は、エラーが発生した場合、ゼロ以外の終了コードで終了します。それ以外の場合は、コード0で終了します。

バグ

バグを報告するには、<https://github.com/llvm/llvm-project/labels/tools:llvm-objcopy/strip/>をご覧ください。

参照

llvm-objcopy(1)